カスタマーハラスメント対応のための指針

1.はじめに

この指針は、社会福祉法人青鳥会(以下「法人」という。)の法人理念である「ノーマライゼーションの理念にもとづく福祉サービスの提供」を実現するため、職員が個人の尊厳を保持され、安全で安心して業務に従事できる就業環境を確保することを目的として、カスタマーハラスメントに対する法人の基本方針及び対応の方向性を定めるものである。

サービスの提供において、利用者等からの正当な意見、要望、苦情の申し出等は、サービスの質の向上を図る上で極めて貴重なものとして真摯に受け止める。しかしながら、社会通念上相当な範囲を超える不当な言動や過度な要求は、職員の心身の健康を損ない、就業環境の悪化を招く重大な問題である。

法人は、職員の人権を守り、良質かつ安全なサービスを継続的に提供するため、カスタマーハラスメントに対して組織全体で毅然とした姿勢で臨むことを宣言する。

2.カスタマーハラスメントの定義

カスタマーハラスメントとは、利用者、家族、身元引受人、成年後見人、取引関係者など、法人の行う事業に関係を有する外部の一切の者(以下「利用者等」という。)による、要求内容の妥当性に照らして要求実現のための手段・態様が社会通念上不相当なものであり、かつ職員の安全や就業環境を損なう以下のような言動をいう。

(1)身体的攻撃(暴力、突き飛ばし、物の投げつけ等)

(2)精神的攻撃(暴言、恫喝、威圧的な発言、人格否定、差別的言動等)

(3)過度な要求、不当な要求又は威迫(業務範囲外の要求、SNS・ホームページ等への誹謗中傷の投稿の示唆、土下座の強要等)

(4)時間的拘束(正当な理由のない長時間の拘束、執拗な反復等)

(5)個の侵害(プライバシーの詮索、つきまとい、待ち伏せ等)

(6)セクシュアルハラスメント行為(意に反する性的言動、身体への接触、執拗な視線等)

(7)施設、設備又は財産の損壊(建物、備品、公用車の損壊等)

(8)その他の業務妨害行為(無断での録音・録画・撮影、飲酒状態での錯乱、危険行為等)

3.適用範囲

法人において就業するすべての職員(正職員、再雇用職員、準職員、特定職員、パートタイム職員、無期転換職員等、雇用形態に関わらないすべての者)を対象とする。また、対面、電話、書面、電子メール、ホームページ、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上など、あらゆる場における言動を対象とする。

4.基本方針

(1)法人は、職員の就業環境を害するカスタマーハラスメントを一切許容しない。

(2)法人は、職員の心身の安全と健康を最優先し、カスタマーハラスメントから職員を保護するための適切な措置を講ずる。

(3)法人は、利用者等からの正当な意見や要望については、真摯に受け止め、合理的かつ理性的な対話を通じて問題解決に努める。

(4)法人は、利用者等の言動がカスタマーハラスメントに該当すると客観的に判断した場合は、毅然とした態度で組織的に対応し、必要に応じてサービスの提供を一時停止又は契約解除等の措置を講ずるとともに、法的措置を含む厳正な対処を行う。

5.正当な要望及び障害・疾病等に起因する言動への配慮

(1)利用者等からの要望等のうち、法人に過失又は瑕疵がある場合、若しくは正当な権利に基づく要求である場合は、正当な苦情として真摯に対応し、サービスの改善に努める。

(2)利用者等の障害又は疾患の状態に起因する可能性のある言動については、その行為自体が支援の対象であることを踏まえ、合理的配慮(障害者差別解消法に基づく社会的障壁の除去)を基本とし、本人の状態や支援方法を考慮し誠実に対応する。ただし、合理的配慮の提供は、カスタマーハラスメント行為を容認するものではなく、職員の安全確保を前提としつつ、関係専門機関や家族等と連携して適切なケアや支援方法の見直しにつなげる。

6.組織的な対応体制

(1)体制の整備

法人は、カスタマーハラスメントの未然防止及び発生時の対応を迅速に行うため、各事業所に相談窓口(相談・苦情解決受付担当者及び相談・苦情解決責任者が兼務)を設け、体制を整備する。

(2)情報の記録と連携

事案発生時における事実関係や対応経過は所定の様式に正確に記録し、必要に応じて法人事務局、法人の第三者委員、警察、弁護士等の外部専門機関と緊密に連携して対応する。

(3)最終決裁権限

サービスの一時停止、又は提供契約の解除等、利用者等との権利義務関係に重大な影響を及ぼす決定については、事業所長の上申に基づき、理事長が最終決裁を行うものとする。

7.職員への支援及び再発防止

(1)被害職員の保護

カスタマーハラスメントの被害を受けた職員に対し、産業医等によるカウンセリングや外部相談機関の提供等によるメンタルケアを行う。また、担当業務の変更や配置転換等、本人の意向に配慮した調整を講ずる。

(2)不利益取扱いの禁止

職員がカスタマーハラスメントに関する報告や相談、対応への協力を求めたことを理由として、当該職員に対して解雇、配置転換、降格、減給等の不利益な取扱いは一切行わない。

(3)PDCAサイクルによる改善

法人は、発生したカスタマーハラスメント事案を分析し、マニュアルの更新、ポスター等の周知方法の改善、職員向け研修の定期的実施等を行い、再発防止と職場環境の継続的な改善に取り組む。

8.利用者等との相互尊重

法人は、サービスの利用者並びに家族をはじめとするすべての関係者の皆様と、互いに人格を尊重し合い、信頼関係を築くことを大切にする。良質かつ安全なサービスを提供し続けるため、以下の点について関係者の皆様のご理解とご協力をお願いする。

(1)カスタマーハラスメントに該当する言動を行わないこと

(2)職員を含む他者に対し、敬意をもって接すること

(3)法令を遵守し、社会的ルールに則った行動をとること

この指針は、令和8年9月9日より施行する。

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